心療内科はこころの病を扱う科であり、主に体の病やケガを診療する他の科と大きな違いがある。では、心療内科と他の診療科で看護師の仕事も異なるのだろうか。
心療内科での主な看護業務は、問診や採血、点滴、診察介助などだ。そこに他の診療科と大きな違いはない。救急を要する患者は少ないため、忙しなく働くことはあまりない。
他の診療科よりも高いスキルが求められるものは、対人コミュニケーション能力だ。こころの病は本人も周囲も受け入れることに抵抗を持ちやすい。そのため、初めて心療内科に訪れた患者は、他人の目を気にして敏感になっている。安心させようと笑顔で声をかけることが、笑われていると受け取られることもある。看護師は、医師より先に患者と対面する可能性が高い。初めて会った患者でも、相手がどんな対応を望んでいるか見極めることが円滑な診療の助けになる。
では同じこころを扱う精神科との違いは何だろうか。
精神科はこころの病気そのものを治す科だ。対して心療内科はストレスなどが体の症状となって現れている患者を治療する科である。例えば吐き気や胃痛で内科を受診したとする。診察しても問題が見つからず、それでも症状が続く場合は心療内科に案内されることがある。しかし、心療内科は日本にしかない言葉であり、精神科との違いを理解している患者は少ない。そのため、精神科では躊躇いがある患者を受け入れる場になっている病院もある。2つの科の境界線は曖昧になっており、心療内科に勤める看護師は精神科領域の知識も必要になるということだ。心療内科で働きたい場合は、コミュニケーション能力を鍛え、精神科領域の知識まで蓄えることが望ましい。
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